【Microsoft365】非アクティブなメールボックスの保持期間である訴訟ホールドの日付を変更する
久々の投稿となりますが今回もニッチな情報となります。どちらかというと自身の備忘録として残しておきたいと思い記事にしました。
非アクティブなメールボックスとは（Microsoft公式ページより）
アカウントがアクティブな状態の時にMicrosoftが定めた条件をクリアしていればアカウントが削除された後、非アクティブな領域にメールボックスが保存されます。
テナントのデフォルト設定であればアカウントが削除されてから30日間メールボックスは保持され、30日間を過ぎるとメールボックスは完全に削除されます。
訴訟ホールドなどアカウントがアクティブな状態の時に設定していれば30日間を超えても設定した日付の間は削除されず保存することができます。
今回、非アクティブなメールボックスに設定されている訴訟ホールドの設定日付を変更する機会がありましたので記録として残しておきたいと思います。
Exchange Online PowerShell への接続
まずはExchange Online PowerShell へ接続します。公開情報は次のとおりです。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-online-powershell
以下はコマンドレットの例になります。
Import-Module ExchangeOnlineManagement
Connect-ExchangeOnline -UserPrincipalName 管理者のUserPrincipalName
変更前の訴訟ホールドの設定値を確認
Get-Mailbox コマンドレットにオプション -InactiveMailboxOnly を付けて確認します。
-InactiveMailboxOnly の後ろはアカウント情報のため今回はマスクしています。
必要な情報の訴訟ホールドの日付は、LitigationHoldDuration という属性であるため、select でフィルタして LitigationHoldDuration だけ表示されるようにして実行します。
今回の結果は、180日であることがわかります。
Get-Mailbox -InactiveMailboxOnly UserPrincipalName | select LitigationHoldDuration
訴訟ホールドの設定値を変更
方法はいろいろあると思いますが今回は多数のアカウントを対象にしているため、CSVファイルを読み込む形でコマンドレットを実行し、変更します。
対象の非アクティブなメール ボックスと変更したい訴訟ホールドの期間を入力した CSV ファイルを作成します。
1カラム目と2カラム目はカンマで区切ります。
1 行目 : Identity, LitigationHoldDuration
2 行目 : 対象の非アクティブなメールボックスのメール アドレス , 訴訟ホールドの期間
Identity,LitigationHoldDuration
test01@example.com,365
test02@example.com,365
test03@example.com,365
今回は例として１アカウントだけ変更します。
■構文
Import-CSV <保存先のパス\ファイル名> | Foreach-object {Set-Mailbox -InactiveMailbox -Identity $_.Identity -LitigationHoldDuration $_.LitigationHoldDuration}
■実行例
変更後の訴訟ホールドの設定値を確認
変更前と同じコマンドレットで確認すると180が365に変更されていることが確認できます。これで非アクティブなメールボックスは、365日保存されることになりました。
Get-Mailbox -InactiveMailboxOnly UserPrincipalName | select LitigationHoldDuration
まとめ
今回の例では１名だけ検証しましたがCSVファイルに複数名を記載して実行するとその分だけ変更することが可能です。ほとんど利用する機会はないと思いますが非アクティブな領域でも操作可能であることがわかりました。
